しこ名 | 鋼(はがね) |
番付 | 東三段目四十一枚目 |
本名 | 前田 一幸 |
生年月日 | 1981年4月24日 |
出身地 | 愛知県刈谷市 |
スポーツ歴 | サッカー |
身長 | 178cm |
体重 | 144.2kg |
愛知県刈谷市出身。
幼少から中学、高校時代までサッカーに打ち込んだ。
高校卒業後の進路を思案する中「本当にやりたいことは何か」と自問自答を重ねる。少年時代に地域大会で親しんだ相撲の世界へ足を踏み入れることを決意し、2000年3月場所、井筒部屋から本名「前田」として初土俵を踏んだ。
その後、2003年3月場所に「鶴嶺山」と改名。翌2004年7月場所で念願の幕下昇進を果たし、2005年11月場所には東幕下16枚目まで番付を上げた。
2011年7月場所「鍛錬することで様々な形に変化し、切れ味を増す鋼のように、気持ちが折れてもまた一から鍛え直し、研ぎ澄ませば良い」という強い信念から「鋼」へと改名した。2012年9月場所では東三段目二十五枚目で初優勝を飾る。
<朝日新聞掲載一番左>
力士として活躍すると同時に、後に横綱となる鶴竜の兄弟子として、入門から引退まで常に寄り添い、生活面においても細やかな配慮を見せた。横綱昇進後も、鶴竜が気兼ねなく本音を語れる存在であり続ける。
2019年9月場所中の16日、師匠である15代井筒(元関脇・逆鉾)が急逝。これにより、自身を含めた井筒部屋の力士らは陸奥部屋(元大関・霧島)へと移籍することになった。
2023年12月、元横綱・鶴竜が陸奥部屋から独立し音羽山部屋を新設。かねてから鶴竜の独立の際には、ついていくことを決めており、迷うことなく二つ返事で弟子として移籍している。
井筒部屋時代から、鋼はちゃんこ長として幅広い料理ジャンルに腕を振るい、部屋の力士はもちろん、後援会のみなさんからも「前田のちゃんこは日本一」とうたわれる。特にちゃんこ鍋は13種類ものレパートリーを持ち、音羽山部屋でも力士たちの胃袋を満たしている。
音羽山親方は、番付が上がってからも鋼のことを本名の「前田さん」と呼び、常に敬称と敬語を用いるなど、そのリスペクトは揺るがない。独立後、音羽山親方は「前田さんがいれば大丈夫」を口癖とし、「親兄弟よりも長く一緒に過ごしてきた。これからも、ずっと一緒。死ぬまで一緒だから」と、全幅の信頼を寄せる。
鋼は、土俵上での粘り強い相撲に加え、 血縁以上の兄弟愛で結ばれた横綱との信頼関係、そして力士たちの健康を支える料理の腕を通して、音羽山部屋そして大相撲界にとってかけがえのない存在となっている。